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今回は、森の中に佇む薪窯ピッツァのお店が登場です。皆さんご存知の「Pizza&Cafe 森のオーブン Dottore」さん(以下、ドットーレ)。元は診療所?前身のお店があったの?などなど、かなり詳しくご紹介しているつもりです!よろしければ最後までお付き合いください!
駐車場が広くて便利です。周りに自然が溢れていて、緑が感じられるロケーション。旅館やホテルからも近いので、チェックイン前のランチにGOOD。
一般的なナポリピッツァの粉は使わず、発酵種(だね)の働きを捉えるために、あえて逆の性質の粉を使用しています。発酵由来のジワジワ広がる美味しさや、喉越しを楽しめるのがドットーレのピッツァ。具材も生地も、お客様に喜んでもらえるものを目標に、日々研究を重ねています。
食感の違いを作り、それを“美味しさ”として味わってほしいから、とのこと。矯正するのではなく寄り添うイメージで生地を伸ばし、窯が焼いてくれるのを支える。自然体で発酵した生地に余計な力を掛けないので、正円じゃない焼き上がりになります。
お話を伺ったのはオーナーの佐藤大志さん。環境系の大学を卒業後に、エンジニアとして東京で勤務。2年ほどのサラリーマンを経て帰仙。お母様と一緒にお店をやっていました。
それが「理科室のオルガン」というお店です。
2009年にオープンしたものの、2年後の2011年12月に閉店。
「父親が医者なんですが、2010年ごろ病に倒れてしまったんです。病院の敷地内でお店をやっていたんですが、病院が無くなることで、カフェも継続できないということになってしまって・・・それで理科室のオルガンは閉めることにしたんです」
2011年11月6日、当時のブログには“年内で閉店”の文字。しかし、この閉店をめぐり、大志さんに大きな変化が訪れます。
「辞めるって言ったら、たくさんの方が行列を作ってくれたんです。確か2011年の12月27日くらいだったかな・・・雪も降ってて凄い寒い時期だったのに、それでも変わらずたくさんの方が並んでくれてるんです。正直、前のお店に関しては100%母の感性でやっていて、物を作るのに精いっぱいで、気持ちを込める余裕なんて全然ないし、むしろやってあげてるという気持ちが強かったんですよ。でも、その光景を見たときに、自分には何もない、お返しをする術がない、というのに気づいてしまい、とてもショックでした」
サラリーマンに戻ることも考えたそうですが、当時はまだ少なかった薪窯のピッツァ職人へ。
「東京で食べたピッツァがすごくおいしくて、ずっと記憶に残っていたんです。なにかやるとしても、前菜からデザートはもう無理だと。ピッツァを作れる人はたくさんいたので、特殊技能として薪窯ピッツァはどうかなって。もし教えてくれる人がいたらやってみたいなってことで、当時お世話になっていたアルフィオーレのシェフ、目黒さんの紹介でピッツァを教えてもらえることになりました。誰かに何かを返したいとか今まで全然なくて、凄く不思議な感情でしたね」
1年の修行を経て、2013年2月14日。ドットーレをオープンしました。
「ドットーレは医者という意味の言葉です。人の命を診るのって相当な使命感と頑張りがないとなれないんですよね。自分はなれなかったんですが、医療行為はできないけど、心と身体に優しいことを発信というか、色んな想いがあってこの言葉を店名にしています」
単に医者という意味でなく、自身の背景や想いを乗せた言葉が「ドットーレ」なのです。
ネット上やインスタの投稿では、元診療所という言葉を目にしますが、厳密に言うと間違っています。この場所は大志さんの祖父母(母方)の家。お父様が回復後、一部を診療所として改装し、実際に身体の悩みなどを聞いてあげていたそうです。今は客席になりました。
母方の祖父母は岩沼屋の経営者をされていて、以前は祖父が名付けた「出会いの小径」という岩沼屋とドットーレを繋ぐ小さな道がありました。お店に来るきっかけは、時にとても小さなもの。SNSなのか口コミなのか知人友人の何気ない一言なのか。この記事がお店までの小さな小径となりますように!
ピッツァに対しての姿勢が、本当にひたむきです。色々な飲食店に行って食べて、時には牧場にいって牧草をかじってみたり。得られた情報をしっかり解釈して、ピッツァとして形にしようとしています。この辺りはInstagramを見てみて下さい。なかなか興味深いです。
店舗周辺は雑木林になっていて、瑞々しい緑が綺麗に彩っています。無機質な街中の喧騒とはほど遠い、木々や草花の揺らぎに癒されること間違いなし。テラス席はワンちゃんOKです。お店の周りは少し歩けるようになっているので、食後に散歩してみては。
ピッツァ食べたい!けど、一人でもいいのかな・・・。なんて方は気にせず明日、いや今日行ってみて下さい(水曜定休)。お一人様歓迎&お一人様限定でハーフ&ハーフOK。1枚で違った味も楽しめちゃいます。あるいはテイクアウトでも良いかも。
牛の餌となる牧草・・・しかも土づくりからこだわっている、石岡鈴木牧場のモッツアレラを使用した看板メニュー的ピッツァ。
モッツァレラから溢れ出るミルキーな水分と邪魔をしないトマトソース。両者が混ざり合って出来たミルクトマトソースはまさに至極。場所によって異なる生地の食感、深呼吸したくなるような風味が次の一口を催促。見ても食べても嗅いでも美味しいです。すべての具材と生地が主張しすぎない、そしてどれかがかけても成り立たない。
シンプルに完成されたこの一枚は、ドットーレを冠するにふさわしい、味覚のオデッセイ。
「毎日状況が違うので、100枚焼いたら全てを同じにするとはとても難しいです。でも、なるべく減点が無いように、良いものを作るために全力を尽くしますので、気が向いたら来ていただけると嬉しいです」
というわけで、今回は「Pizza&Cafe 森のオーブン Dottore」さんをご紹介しました。店舗情報の詳細は以下をご覧ください!
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住所 | |
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電話 | 0227975681 |
営業 | 11:00 〜17:00(L.O. 16:00) |
定休 | 水曜日 ※最新の状況はSNS等をご確認ください。 |
駐車場 | あり |
HP |