甘味、酸味、塩味、苦味。これらは、おいしさを構成する基本の味。実は5番目の味があるのを知っていますか?おいしさとは別で、長く口の中に残っているような余韻のある味わい「うま味」です。実はこのうま味は今から100年以上前に、日本人の池田菊苗さんが発見し、皆さんご存知、味の素として商品化されました。海外ではローマ字表記で「UMAMI」として広く認知されています。今回ご紹介するのは、そんな素材のうま味をこれでもかと存分に楽しめるお店です。青葉区高野原にある「そば茶房 萬乃助」。2021年12月にオープンしたばかり。よろしければ最後までお付き合いください。
そば茶房 萬乃助とは?
萬乃助さんは、本格的な山形そばを楽しめるそば処です。泉と岩沼に店舗があり、今回ご紹介するそば茶房 萬乃助さんで3店舗目。どれも古民家を改築したノスタルジックな趣で、「和」の佇まいは落ち着いた雰囲気を演出しています。
お店を営むのは五十嵐さんご一家。お話を伺ったのは奈美さんと、妹の亜衣さんです。萬乃助さんは、五十嵐さんご一家が仙台へ移住し、家族ではじめたお店で、店名は曽祖父(ひいおじいさん)のお名前からつけられたとのこと。泉と岩沼の店舗はお二人のお兄さんが営んでいます。
2022年9月時点のメニュー
▼平日限定のランチセットもあります。
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そばへのこだわり
山形県寒河江市と村山市の境目に位置する、霊峰葉山の麓に10ヘクタールのそば畑を所有。山形県産100%の玄そばを使用しています。そば粉は自家栽培した「最上早生」と「でわかおり」、2種類の玄そばを自家製粉。季節ごとに変化する風味に合わせ、独自ブレンドしています。
※玄そば=収穫されたままの殻つきのそばの実。
そば茶房としての新しい試み
すでにある2店舗とは違い、「そば茶房」を冠した店名。そばだけでなく、かき氷や甘味の提供など、他の2店舗とは違う趣を取り入れています。「うちの母は変わったことをしたいという想いが強くて…」と亜衣さんが教えてくれました。斜に構えたカッコつけたお店ってたまにありますが、そば茶房 萬乃助さんは違います。今まで培ってきた、そば処としての経験を経た上での試み。基本がしっかり出来てこその変化球です。説得力が違いますよね。
贅沢御膳、いただきます
今回頂いたのが贅沢御膳(1,950円)。1,550円から、4つのコースがあります。全16品も楽しめる御膳はまさに贅沢の一言。この日は15時からの取材でしたが、(良かった、お昼を食べてこなくて良かった…。)と思うほどのボリュームでコスパ◎。盛り付け一つとっても立体的で、しっかりとした手作りの温もりを感じます。まず見た目が美味しい。では、印象的だったものを幾つか紹介いたします!
「茄子の素揚げ」
向かって一番左上に見えるのが「茄子の素揚げ」。タレはポン酢のみ。
せっかくなのでそのまま。
…とてつもなくジューシー。
上に乗っている大根おろしと生姜(どちらも自家栽培)がいい塩梅で、タレが無くてもいいほど。素材のうま味が口中に広がります。
「鶏肉のパリパリ焼き」
中央に見えるのが「鶏肉のパリパリ焼き」。ソースはトマトソースです。
トマトには、うま味成分のグルタミン酸が豊富に含まれていて、さらに鶏肉には、これまたうま味成分のイノシン酸。
うま味×うま味=美味しい。
ケチャップのような、あの濃ゆい感じではありません。素材の味を感じるソースです。見た目とは裏腹に繊細な味わい。
「もずく酢」
中央の左に見えるのが「もずく酢」。
特徴は歯ごたえです。
「普通のもずく酢とは違って日本海から取り寄せてて、食感がしっかりしてるんですよ。」と説明があったので気になっていました。
…シャキシャキ!
噛むほどに伝わる食感のリズムが楽しい。
「天ぷらとお蕎麦」
天ぷらは衣の付き加減が良く、サクッとフワッと。各種野菜の天ぷらは火の通り具合が絶妙で、食感が残りつつも甘味がじゅわっと広がります。茄子、海老、その他も言わずもがな。海老天は単品でもt注文可。マストです。お蕎麦は自家製の二八そば。喉越しが抜群ですじか。くどくないつゆとの相性も良く、するすると進みます。
この他にもそば茶プリンや自家製の赤紫蘇ドリンクなど魅力的なものがたくさんですが、文章量がえげつなくなってしまうので割愛させて頂きます…ごめんなさい。
古布リメイク品の販売も
作家さんが作ったハンドメイドの古布リメイク品。レトロな感じが洒落ています。
店員さんが着用している制服も古布のリメイク。古い着物や手ぬぐいなどを継ぎ合わせているそう。
そば茶房 萬乃助さんのこれから
「ここでは、今までの萬乃助にはない新しい形を目指しています。基本はお蕎麦屋ですが、甘味もお出ししていますので、ランチタイム後はカフェのように、ゆっくりくつろげる場所を提供していきたいです!」今年12月で2年目、これからの展望が楽しみですね!
取材後期
実は本業の方で、萬乃助さんの泉本店には2度くらい伺ったことがあります。その時に冷たい肉そばをいただいたのですが、「唐辛子をいれるとピリッとして味が締まりますよ。」と店員さんが言っていて、なんだかそれがものすごく印象に残っていました。そば茶房 萬乃助さんをInstagramで発見した際、まさか青葉区に?しかも高野原に!とビックリ。インスタのフォロワーさんも、もしかしたら知らない人が多いのでは?という気がしますので、この記事で多くの方に伝われば嬉しいです。
というわけで、今回はそば茶房 萬乃助さんをご紹介しました!お店の詳細は以下のリンク先からご覧ください。